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虹の空へ

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「朧の森に棲む鬼」

「朧の森に棲む鬼」_c0063587_175323.jpg07.02.11 大阪松竹座

いやぁ、おもしろかった!
ほんと、なんかボキャ貧だけど、「おもしろかったー!」とか
「凄かったー!」とかしか出てこないよ。
新感線のこういう、殺陣あり笑いあり人情味ありの時代物は
良いですね。
テンポが良くて、舞台全体に躍動感があって。
大好き。

「吉原御免状」「天保十二年~」も観た後の満足感がどれも半端じゃなかった。
「アオドクロ」とか「SHIROH」はゲキシネでも大満足だったし。

計算され尽くした演出とセリフ、役者の動きとそれによって起こる感動と笑い。
いや、スゴイね、新感線。

今回は花道横の前方席。
真横を役者さんたちが走るわ、殺陣が始まるわ、染様は見得をきるわで
そりゃもう楽しめましたともーーーーーーー!

写真は何気なく買ったパンフとそれにについてたとカレンダー(右)
持ち歩くのに長いし、中には鬼が居るし。
こんなの怖くて使えないし(困)



素敵な衣装とスケールのでかい舞台美術に、ほんとに効果的な音楽。
セリフや動作のきっかけのだいじなところで効果音が入る。
裏方さんも一瞬たりとも気が抜けないよねぇ。

美術はほんとにヨカッターーー!
朧の棲む森は、ほんとに魔物が棲んでいそうなおどろどろしい森。
それが赤く燃え上がったり、青く不気味に沈んだり。
良い感じで雨は降るし、最後には滝までできてたよ。ビックリ!

登場人物はそれぞれキャラが立ってて生き生きと動き、踊り、歌い。
染五郎さんの演じるライは、口先だけで世間を渡る小悪党。
最初、「ライ」という名前は「lie」からきてると思いました。勘違い(笑)
実際は、キャスト全員、歴史上や伝説上の人物からとってるんですね。
パンフによると、ライ、源頼光。キンタは金太郎こと坂田公時。
シキブは和泉式部。シュテンは酒呑童子。などなど。

染さまは、悪人を演じても品があるというか、根っからの悪いヤツなんだけど
憎めない。
悪人の悲しさみたいなものが表現されていて、心底嫌いになれない。
だんだんのし上がっていくにつれ、どんどん変わっていく様子が魅力的でした。
華があるし、動きがキレイだし、歌舞伎は観たことがないけど、あの見得の
かっこよさには痺れました。
ワタシのすぐ側でやってくれたよ。ひーーーーっ!(大興奮)

一度、「ナントカー!」って後の方の座席から大向こうが掛かりました。
何て言ったか聞き取れなかったけど(汗)、初めて聞いたよ。
歌舞伎っぽいーーー!(嬉)

そのライの弟分がキンタ。阿部サダヲさん。
よかったよーーーーー!すんごいかわいかった!
無条件に兄貴分を慕うキンタの、バカだけど純真な役どころを身体全体で
演じてました。もう愛嬌たっぷり。
笑いどころ、泣きどころ、すべてをかっさらっていってました。大活躍。

このキンタを通して見るからライが魅力的に見えるのもあるのかも。
血人形のくだりは、「なんちゅーやっちゃーーー!」とムカツイタし
トドメをささず逃がしたことも、きっとそんなに深い意味はなかったような
気がするけど、そこにキンタの見方が加わると、もしかしてそうなのかもって
思うしね。
そこに人としての情を感じ取ったキンタの言葉によって、ワタシもライの
隠れた思いを感じ取る。
キンタって、この舞台を緩和させるというか浄化させるというか、そういう
役どころなのかもしれないな。
また生きて現れたときはホッとしましたよ。

古田さんもいつもながらに存在感バッチリ。この人が出るとグッとしまるよね。
あの顔でなかなか笑わせてくれるのが好きです。

あと、秋山さんはかっこよかったし、高田さんは出てくると安心するし。
「東京フレンズ」で見かけた真木ようこさんが立派にお仕事してて、なんだか
嬉しかったわ。
森の民だから汚くしてるんだけど、やっぱり美人でした(笑)

あー、楽しかった!今年一つ目の観劇がコレ。幸先良いです。
by june-sky | 2007-02-14 23:13 | 観劇・演劇
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