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虹の空へ

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「K2」 ~ 前編

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(’10.11.07 マチネ 世田谷パブリックシアター 2階1列目上手)

すっかり遅くなったけど、期待して期待して期待に応えてくれた
「K2」の感想です。
チケット自力ゲットがダメだったときに、すっかりあきらめてた
この作品。
誘ってくれたつよぽんファンの友に感謝だよー!
しかもこの作品、2階席は見やすくてかなり良かったです。
丸くなってる上手の端の方だったので、さらにつよぽんに近い。
双眼鏡なくてもちゃんと顔が見えたよ。
つつみんも新感線での着流し姿しかしか観たことがなかったから
現代の普通のひと役が新鮮!

この二人がおたがいの役者としての存在を認めて共演したいねって
対談で話してから4年。
ついに実現したんですね。
と、シスカンパニーのK2公式を見て思い出しました(笑)



ストーリーは。。。
ハロルド(堤 真一)とテイラー(草彅 剛)はK2の登頂に成功するが
その帰りに遭難、ハロルドは足を骨折し、ふたりは岩棚で一夜を明かす。
その夜が明けてから夕方までの間、生き残るために立ち去らなければ
いけない男と現実を受け入れ生きることをあきらめて、しかし
友は生きて帰したいと思う男。
その二人がこれまでのおたがいの人生を語り合い、生と死への葛藤や
苦悩が描かれ、そしてハロルドとテイラーは最後に決断を下す。
そんな感じです。

幕が開いた瞬間、上手側にそびえ立つ雪山にビックリしました。
ちょうど2階席の高さの目の前には二人の居る狭い岩棚。
その2畳分くらいのスペースしかほとんど使いません。
途中、つよぽんがそこから裏側へ回ったり、宙づりになって
落っこちてきたり。
つよぽんが氷壁の裏側に回ったとき、上手のワタシの席からは
声はするけど姿は見えず、それが下手側からだとどうなのかなあと
気になってました。

終演後に友人に聞いたら、下手席でも見えなくなっていたらしい。
上手からだとふたりの居る岩棚は近いけど、下手からだとそれが
少し遠くてほんとに山も込みでその斜面にふたりが張り付いてるように
見えるのかなあと想像したりしました。
友人は上手・中央・下手と3方向から見たそうで。羨ましーー。

場面転換はなくて、下手方向から太陽の光が差し込み、それで
時間の経過がわかります。
時折、雪か氷がちらちらと舞ってその二人を取り巻く過酷な状況を
表す手助けをしています。

台詞は翻訳劇にありがちな大げさな感じで、いきなりぽんぽん話も
変わるし、ときどきジャニーズにはふさわしくないwエロ系台詞もあるし。
アメリカ人同士の会話ならありそうだけど、でも役者は日本人だし・・・って
最初はちょっと違和感あったんだけど、途中からは気にならなくなりました。
ふたりがちゃんとハロルドとテイラーに見えてきたからね。
ふたりのやりとりには時々笑いも起きてたし。
それでも、アインシュタイン系の物理学的なハロルドの言葉は
ちんぷんかんぷん。
ま、小難しいこと言うやっちゃなあと聞き流してましたけど(笑)

登場人物は二人。
役者としての技量が試される作品ですよね。

最初、堤さんの髭面とげっそりした顔にビックリ。
テイラーにシートをめくられて出てきたときはつつみんには見えなくて。
すっごいやつれてんの。
まあ遭難した上に骨折してるからやつれてんのはアタリマエだけども。
弱々しくてむさくるしくて、なんかそれが妙にセクシーで、とっても
良いオトコでした。
つつみんはドラマでの端正でスマートな役柄か、着流し in 新感線の
イメージしかなかったので、こういうがっつり渋系の舞台役者としての
つつみんは初めてでした。

ハロルド@つつみんの前半の受けの演技の静けさと後半の生への
執着や苦悩、死への恐怖をぶつけるシーンの激しさ。
その対比は見事でした。
ハロルドは骨折してるから、その岩場からまったく動かないし、立つことも
できない。
1度だけ、テイラーに支えられて立っただけ。
舞台で身体を使わないで演技するってすごく大変なことだよね。
表情がしっかり見える席なんて限られてるし、劇場のどの場所にも
感情を届かせる表現を身体を使わずにするのって難しそう。
でも、堤さんはわずかな動きと言葉の表現で、ハロルドの気持ちを
その変化の様子を見事に表現していました。

最初はつよぽんが派手に動いてしゃべって芝居をぐいぐい引っ張って
進むんだけど、やっぱり要所要所は堤さんがしっかり締めてる。
圧倒的な存在感がスゴイ。
言葉や動きで直接的ではなく、そこに居る、その創り出す空気感で
その場を支配してる感じ。
あー、これが板の上でのオーラというものなのかしらん。
自分が帰れないと悟ったあたりのあの絶望に満ちた表情と
弱気になってるテイラーを励まし、なんとしてもひとりで帰らせようと
するときのあの気迫に満ちた表情が忘れられません。

テイラー@つよぽんははその反対に最初は弱気なハロルドを
励まさないといけないので、超強気でハイテンション。
何度も「装備点検!」と号令掛けて、陽気にハロルドに話しかけ
とにかく張り切ってます。
二人で助かりたい!
友人のハロルドを絶対に連れて帰るんだ!
これからの人生、友人のハロルドなしでは考えられない!
と、テイラーは一生懸命二人で帰れる方法を考えます。
悪条件は見えず、いや、見ないようにしてるんでしょう。
ここにハロルドを残して帰ったら、生涯その悔恨の思いに苛まれる。
そんな重荷、耐えられないもんね。

それまではアクションも大きく、時に大声を出したり、叫んだり
自分を叱咤激励してるという意味もあるんでしょう。
テイラーは感情の起伏も激しく、若者らしい率直さでハロルドに
気持ちをぶつけていきます。
それが二人で帰れるという希望を失った途端、膝を抱えて
泣きじゃくるテイラー。
子供のように頼りなさげでその一途でひたむきな思いがつよぽんの
持ってる純粋さに重なってストレートにこっちに伝わってくる感じ。
ハマリ役だなあと思いました。

それにこのテイラーの役、体を張ってます。
つよぽんの運動神経も買われての抜擢だったんじゃないかなあと
思うくらい、舞台で本気のクライミング。
凄かった!
ザイルを確保して垂直の氷壁に見立てたセットをよじ登るのは
すごいタイヘン。
それも3回トライするんだよね。
一足毎に足をかける場所を確認して壁をよじのぼり、同時に
台詞も言わなくちゃいけない。
ザイルをたぐりよせたり、壁の向こうに放り投げたり、その手順も
ちゃんとして演技もしなくちゃいけない。
挙げ句の果てに雪崩が起こり、せっかくよじ登った上の方から
(舞台からは見えてないけど)、ザイルで宙づりになって
落っこちてくる。
ここ、ほんとにビックリしました。
テイラー、落っこちたーーーっ!って。
それからは宙づりで演技。
舞台までの高さなのかと思ったら、そこは真っ暗で奈落まで開いてたよ。怖っ!

とにかくこの舞台、見てる方もずっと緊張してたよーー。
つよぽんが落っこちないで最後まで無事にやり遂げられますように。
ほんとにほんとに気を付けてよー。

で、二人芝居って、二人で共同で作品を作り上げるのと同時に
二人の戦いでもあるわけで。
堤さんが成熟した大人の演技で存在感を見せれば、それに
対抗するのはつよぽんの熱くてひたむきな演技でしょうか。
テイラーになりきり、役を生きる。
それがちゃんとできていたと思います。
テイラーになりきりすぎて鼻水たらして泣いてるつよぽんを
その鼻水ごと受けとめてくれた(笑)つつみん。
どちらも一歩も退かずに良い勝負ができたんじゃないかなと
つよぽんファンとしては信じてます。

このあと、日の傾きにつれて二人の心境も移り変わります。

・・・なんだかまとまりのない文章のまま(汗)後半に続きます。
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by june-sky | 2010-11-14 01:59 | 観劇・演劇
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