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虹の空へ

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ドリアン・グレイの肖像 in 兵庫 その1

マグさんでゲネプロ写真復活!
といってもワタシはのんびしりしていて、最初にアップされたのを
見損ねたので初めて見るんだけど。
枚数多くて、いろんなドリアンが蘇って嬉しい限りです。

ってことで、9/11~9/13の三公演、まとめて感想いきます。

11日は前方センター、12日は少し下がってまたまたセンター。
13日は下手サイド。初めての上手です。
シビルの鏡台前の表情がしっかり見れました。

兵庫初日の印象どおり、やはり大きな会場に合わせてキャスト全員の
芝居が大きくなってメリハリがついてました。
その分、感情の表現も大きくなって、バジルはより熱く、ドリアンはさらに
激しく苦悩し、そして、ヘンリー卿はこのうえなく残酷で。

まずはそんな3人のこと。。。



バジルは本当にドリアンが大好き。

それは、ドリアンへの言葉の端々に表れていたし、何度も口にしていた
「君は世間から尊敬されるような人でいてほしい」という言葉に表れています。
「肖像画にも自分の理想をこめたんだ」と言っていたし。
なんにしても、ドリアンにはまっとうな道を歩んでほしかった。
その美しさを守りたかった。
外見も内面も美しくあってほしかった。
そんなバジルはドリアンの良心だったんでしょうね。
だから、ドリアンもその良心を抹殺することによって、罪悪感から逃れたかった。
だから殺してしまった。

兵庫公演で初めて気づいた、最初の3人のシーンでヘンリーがドリアンに
投げかける視線。
ヘンリーと険悪なムードになりながらも、チラチラとドリアンを見て頷くように
微笑むバジルは、ドリアンに向けて「だいじょうぶだよ」と気遣っているのかと
思われました。
ドリアン、どんだけ大事にされてんだ(笑)
ワタシが思ったより、この時点でのドリアンは純真だったのかなあ。
バジルが気遣って、保護者のように庇ってあげなくちゃいけない存在だったの
かもしれません。
そんなバジルを殺すなんて、ドリアンは可哀想だな人間だ。

そして、ヘンリーとドリアン。

初対面のヘンリー卿がドリアンに興味を引かれ、可愛がり、悪へ導き、
そして、魅力がなくなると見限って見捨てる、その心の変化がストレートに
伝わってきました。
あの悪魔的な高笑いも踵の返し方も納得できた気も。
シビルを自殺に追いやったことにまったく罪の意識を感じないドリアンを
「素晴らしい!」と褒め称えるヘンリーは、終盤、「善人になりたい。
自分以外の人間になりたい」と訴えるドリアンには何の魅力も感じない。
人を追いつめても、その心を弄んでもいいけれど、犯罪者になっては
いけない。まして殺人など、その美学が許さない。
常に自分を見失わず、何もなかったように飄々として生きる。
自分にとって価値のあること、すべてにおいて美しいことにだけこだわって
生きる。それがヘンリーの生き方。
最後にドリアンと向かい合って話すシーンでも、そういう思いがありありと
わかります。
妻との離婚の話をしながらもヘンリーの視線はあらぬ方向へ行っている。
その頃の後悔にさいなまれ、憔悴したドリアンには興味がない。
ヘンリーが愛したのは、自信にあふれるキラキラした美青年のドリアン
だもんね。

あの高笑いは、変わってしまったドリアンとの訣別だったのか。
「もうこれ以上醜くなるのは耐えられない」と嘆き、「過去と訣別して生まれ
変わりたい」と言うドリアンに、「もしかしたら究極の偽善者に出会えるかも
しれない」と茶化すヘンリーは悪魔のようでした。
一番、怖いシーンだったなあ。
そして、指輪をドリアンの死体の指に返したのは彼への憐れみなのかな。
死に顔を見て、一瞬沸きあがった憐れみと悼む思いを振り払うように
踵を返して靴音も高らかに去っていくヘンリー。
飄々としていたヘンリー卿が最後に見せた、あの冷酷な背中にゾクッと
きました。
加納さんのヘンリーは素晴らしかった。

そんなヘンリーやバジルに対する耕史ドリアンは、とにかく表情の変化が
素晴らしくて見惚れました。
芝居も大きくなった分、どのシーンでもドリアンの表情の変化もはっきりと
浮かび上がってくるようでした。
ヘンリーとバジル相手に愛想良く笑顔で話していたのに、肖像画を見て急に
表情が曇る。その変化に目を奪われました。
そう、この舞台では最初の眉間に皺シーンですね。
バジルやアランと話していて、地下室へ案内するときに先に立ち、相手から
見えなくなったときの表情の変化。
そして、シビルの弟に「その男はいくつくらいだったんだ?」と、助かる方法を
思いついたときの表情の変化。
これはちょっと邪悪な笑顔が怖かった。

結局はこの舞台にいろんな表情の耕史ドリアンが居たということですね。
そりゃ、いつまでもドリアンの世界に浸っていたくなるはずだ。
そんなワタシのクドクド話はまだ続きます。
次回はツボ編。軽ーーくいきます。
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by june-sky | 2009-09-16 23:59 | 山本耕史
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