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虹の空へ

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「落日燃ゆ」

「あなたは廣田弘毅を知っていますか?」

「いえ、知りません。ごめんなさい」と謝りながら見始めた「落日燃ゆ」

関西ではとんとお目に掛かれなかった長めの予告が本編の前に
流れました。
え?いまさらこんなん要るのーー?
あらすじダイジェストみないなこの映像で、知らなかった余計な情報が!
高橋ママーーー(二重の意味で涙)
原作も読まず、事実も知らず。
まあ、こんなワタシが悪いのね。フン!(笑)

ってことで、感想です。




やっぱり戦争はしたらアカン。
もうこれに尽きます。

最後のシーンなんて「私は貝になりたい」を思い出しながら
豊松さんもあの階段を上がったよ(涙)
でも、豊松さんは世間にも知られず家族にも知らされずひっそり
処刑されたんだなあ(さらに涙)
教誨師(笹野高史さん)は「今度生まれ変わったら・・・」なんてことも聞かず、
「何か伝えたいことはありませんか?」と繰り返して聞く。
声高に無実の主張をしない廣田に、悔しく無念な胸の内を吐き出させてあげたいと
いうところでしょうか。
やっぱり「貝」のあの質問は残酷だなあ(いまさら涙)

話が逸れました。
廣田弘毅。
あの時代にあんなふうに人間としての誇りを持ち、品格を持って
生きた人が居た。
北大路さんの威厳のある立ち居振る舞いや家族を包み込む愛情や
意思の強さや理想に燃えた生き方がストレートに伝わってきました。
「背広の似合う人」という人選にもぴったり。
スマートだし男前だし。
まあ、オコトマエすぎて軍服でもなんでも似合ってしまいそうでしたが(汗)
ほんとにあの時代の日本人でこんな人が居たんだという少し救われた
気持ちになりました。

でも!

その誇り高い廣田さんには胸を打たれたけれど、でも、その誇りは
家族の気持ちを思うとどうだったのか。
廣田さんの立場からすれば、あの場に居ただけで、ああいう舞台に
自分が参加していただけでもう同罪なんだろうとは思います。
力及ばず軍を止めることができなかった。
平和外交を貫く責務を全うできなかった。
そして、「自分は戦いを避けようとしていた」と証言すれば
「では誰が?」という尋問に答えなければならない。
辛い立場ですよねぇ。

あの護送車の中で「なぜ証言しないのか?」と聞いてくれた
佐藤さん(橋爪功さん)
ワタシの代わりにに証言を奨めてくれてありがとう。
「証言台に立てば迷惑をかける人が居る。他人の非をあげつらう
ことになる」と。
その答えを聞いてワタシもまだ気持ちが救われました。
あきらめがつきました。

廣田さんってば潔すぎて立派すぎて、ほんとに家族にしたら
悔しいだろうなあ。
あんなに正しいことをしようとしていたのに。
「自ら計らわぬ」というのは私利私欲で動かない、高潔な生き方
ではあるけれど、飄々としすぎてて身近な者には歯がゆいところ
だったかも。
「自然に生き、自然に死ぬ」という、達観した人生観が立派だけど
端から見たらもっとあがいて欲しかったんじゃないかと思います。
あの三女が泣くのもわかるわ。
ちょっとうるさかったけど(汗)

妻の静子を高橋恵子さんが好演してました。
美しく儚げな、でも凛とした外交官の妻。
夫を信じ敬い、夫に愛された幸せなひとだったのに、夫の最期を見届ける
強さがなかったのか、自ら命を絶ってしまいました。
子供達にとってはショッキングなことだけど、あの午前0時の処刑の瞬間
静子はこの世に居なくて良かったのかもしれないとも思えます。
廣田さんが最後の手紙に書いたように「もうすぐ会えますね」という穏やかな
気持ちで処刑場に迎えたのだったらね。

処刑の前、「いま、マンザイをやっていたでしょう?」というのは
「漫才」と「万歳」をかけた洒落?その心は?
と思って調べてみたら、これは諸説あるんですね。
たんなる方言の聞き間違いとか、単なる駄洒落とか、もしくは
この処刑が漫才のようなものだという皮肉とか。
今となっては本人の気持ちを確かめることも不可能ですが。

で、ついでにいろいろわかったことで、まずは廣田さんが処刑されたとき
70歳だったということ。
北大路さんの雰囲気から、もっと男盛りの若いうちに処刑されたと
思っていたので、意外でした。
孫も居たんだから不思議じゃないけど。
廣田さんの写真を見たら、北大路さんの強いイメージとは違い、もっと庶民的で
普通のひとっぽい感じ。
実際の人物像も実際はどうだったのか。
ドラマや小説=事実ではないことはわかってるけど、事実を知らないと
いろいろ錯覚してしまいがちです。
こういう作品はそこらへんを気を付けなくちゃと改めて思いました。
って、ワタシが知らなさすぎるんだけども。


で、お待たせしました、われらがこーちゃん(笑)
これはもう、昭和の男を演じさせたら間違いない人だもんね。
ほんと危なげない!
北大路パパの息子役は二度目。板に付いたもんです。

まずは登場時の学ランにビックリですよ。
それもオメメきらきらさせながらテーブル越しに顔を覗かせる、あの姿勢が
もう可愛くて可愛くて。恐るべし!32歳。
それと、葉巻ぷかーーの真似。
おっちゃめーーー!激カワーーーーーー!(笑)

そして成長して、パパの後に控えて(前髪びっちり真ん中分けでw)
秘書としてサポートする姿や拘置された父を思いやる家族と一緒のシーンや、
もういろんなとこで耕史くんらしい佇まいで。
北大路さん以外は強烈な印象を残す役柄じゃないから、でも、他の役者さん
同様、耕史くんも控えめな演技で光るサポートをしてましたよね。
台詞ひとつにも強い思いがこもり、家族の気持ちをなだめるようなシーンでは
物静かな声が効果的。

あ、もひとつこーじくん的ツボ。
「かなわないな、お父さんには」の台詞には
「兄さんにはかなわない」を思い出して思わずクスッと。。。アハ。

最後の家族の面会シーンからはやっぱり泣かせてもらいました。
家族の気持ちになったら、やっぱり理不尽で歯がゆくて。
戦争後のシーンがはしょりすぎ?とか、軍人がステレオタイプで
極端に描かれすぎ?とか、廣田の心理も掘り下げ不足?とか
思うことはあるけど、知るきっかけになったという意味では
こういう作品はリメイクしていくべきだなあと思います。
「貝になりたい」もそうだもんね。

さ、こーちゃん的には次は「陽炎3」?
4月18日スタートですね。乞うご期待!
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by june-sky | 2009-03-16 16:34 | 山本耕史
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